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マンガ編集者が語るおもしろさの創り方 / 八窪頼明 (感想)

こんなに優しい本も珍しい。

「簡単」「分かりやすい」ではなく、優しいです。 愛を感じます。

本書は、悩めるマンガ家への指南書です。 絵よりも、お話づくりに重点が置かれています。 なぜなら、みんなが悩んでいるのは、絵ではなくストーリーだからです。

みんな悩んでいるのです。 悩むのはいいことです。 しかし、

「みんな、悩んで大きくなった!」などと、編集者も言っていたら、商売になりません。
マンガ家としてあなたが次から次へとおもしろい作品が描けるように、いっしょに考えていきましょう。

本書の内容は、この一言に凝縮されてると言っていいでしょう。 まるでベテラン編集者と打ち合わせをしているかのようです。

「どうですか、上手くいっていますか?」
「あぁ、そういうことで悩んでいるのですね」
「では、こう考えてみてはいかがですか?」
「こんな方法もありますよ」
「大事なのはココです」
「こうした方がいいですよ」

優しく、的確にアドバイスをもらえます。 なるべく自分で考え、自分で答えを見つけられるように工夫されています。

ところで、著者の八窪頼明さん。 ただの編集ではありません。 ちょっと著者紹介から引用してみます。

八窪頼明(やくぼよりあき)
昭和34年小学館入社。 「週刊少年サンデー」「別冊少年サンデー」「ビッグコミック」「ビッグコミック オリジナル」の創刊に加わる。 編集者として、手塚治虫、横山光輝、石森章太郎、藤子不二雄、白土三平、さいとう・たかを、赤塚不二夫、ちばてつや、水島新司、媒図かずお、ジョージ秋山、水木しげる、萩尾望都、竹宮惠子、里中満智子などの各氏と交流。

なんですか、このそうそうたる名前は。

そんな大御所達のエピソードが、随所にさらっ書かれております。 それがまた、本書の暖かさの要因になっているのだと思います。

本書は、マンガ家を目指す方だけでなく、小説や映画、芝居など、ストーリー作家ならば必携だと思います。 万人にお勧めできる良書ですね。

最後に、あとがきから著者のメッセージを紹介いたします。

ボクシングに例えれば、ボクサーはあなた。 編集者はコーナーにいるセコンドです。 リングの上で惨めにノックアウトされるのもあなた。 チャンピオンベルトを締めて両手を上げて栄光の拍手を浴びるのもあなた。 主役はあなたです。 しっかり覚えておいてください。
マンガ編集者が語るおもしろさの創り方
マンガ編集者が語るおもしろさの創り方

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