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2007年08月13日

生物と無生物のあいだ / 福岡伸一 (感想)

好奇心をビンビンに刺激してくれる本。 2007年の一押しです。

amazonのランキングでずーっとトップ10に入っていたので、気になって購入してみました。

冒頭から「生命とは何か?」と問い。 なんともワクワクする話です。 筆者の持論が展開されたかと思うと、いきなり舞台はマンハッタンに。

「え?え?」

と思ううちに、次々に登場する歴史上の科学者達。

興奮、失望、陰謀、賞賛。 どんどん物語へと引き込まれていきます。 そしてクライマックスでの虚脱感・・・

こんな本は初めてです。 本来、科学者でしかわからない経験を、物語を通して、リアルに感じることができます。

読み返してみますと、筆者の言いたい事は、プロローグで全て語られていました。 それを物語にすると、こんなにも印象に残るなんて・・・

この本を読み終わったときに、私の中に生まれた感情。 感覚と言ったほうがいいでしょうか。 この感覚こそ、私がいつも追い求めているものです。

同時に、こんなことをしたいなと思いました。

好奇心を刺激する。 同時に深い感動を与える。

私も、こんな仕事をしてみたいと思います。 具体的にどうするかと言うのは決まっていないのですが、 将来きっかけは何ですかと聞かれれば、 「生物と無生物のあいだ」を読んだからです。 と答えるでしょう。

生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)
生物と無生物のあいだ (講談社現代新書 1891)

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2007年08月15日

センス・オブ・ワンダー / レイチェル・カーソン (感想)

環境問題を告発した「沈黙の春」で有名なレイチェル・カーソンが、甥のロジャーに残した遺作です。 とても美しい本です。

先日書いた、生物と無生物のあいだAmazonレビューに、「センス・オブ・ワンダー」に似ているというのがありましたので、買ってみました。

とてもやさしく、丁寧な文章。 きれいな写真。 まるで詩集のようです。

死期をさとったレイチェルが、子供たちに伝えたかった「センス・オブ・ワンダー」とは何でしょうか? 私は、自然の神秘に対する感受性と好奇心、と受け取りました。

私も、好奇心こそ一番大切だと思っています。 ただ私の場合は、好奇心の対象が自然に限定されず、もう少し広い気がいたします。

目に見えるところにそっと飾っておきたい。 そんな本です。

センス・オブ・ワンダー
センス・オブ・ワンダー

2007年08月17日

1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド 小説のメソッド 初級編 / 奈良裕明 (感想)

面白い物語とは何か? ということに興味があります。

どうしたら楽しいお話がつくれるのか? 誰も教えてくれないので、とりあえず「1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド」という本を手にとってみました。

小説を書くための技術指南書です。 小説とは何かから始まり、文章の推敲の話が続きます。

その辺はさくっととばして、第五章「プロットをつくってみよう」を読んでみます。 簡単に言うと、頭の中にあるもやもやを形にしていくためには、ハコガキをカードに書いて並べ替えるんだよ~、と書かれています。

ん~、求めている内容とちょっと違いましたね。 私が知りたかったのは、その頭の中のもやもやの部分です。 漠然とでも書きたい内容ができてからじゃないと、読んでも意味はなさそうです。

読むのが早かったようですね。 いずれまた読み直してみたいと思います。

1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド―小説のメソッド 初級編 (1週間でマスター)
1週間でマスター 小説を書くための基礎メソッド―小説のメソッド 初級編 (1週間でマスター)

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2007年08月19日

物語の体操 / 大塚英志 (感想)

小説を書きたいけれど、まったく書いた事がない人向けに、物語を作るトレーニングが6つ紹介されています。

1. タロットを応用

占いのタロットの様に、ランダムで出てきたカードからイメージを膨らませ、無理やりプロットを作る練習です。 物語を作る基礎体力作りとして紹介されています。 忍者ハトムギさんのサイトでWEBシミュレータが公開されています。

2. プロットをマネる

違う物語でも、抽象度を高くすれば、同じ物語になると言います。 それを利用し、

  1. ある物語からプロットを作成
  2. 抽象度を高くする
  3. それを元に、別のプロットを作成する

という練習が紹介されています。 もとにする物語は、村上龍がやりやすいそうです。

3. 行為者モデルを使う

物語とは、RPG的な「依頼と代行」からなり、決まったパターンがある。 そのパターンを用いれば、簡単にプロットが作成できる、としています。 それを練習するために、筆者が用意した「黒鷺死体宅配便」というキャラクター設定を使い、1話完結のプロットを作成してみましょう。 ということなんですが、いつの間にか漫画化してる・・・

4. 設定を利用し二次創作

いわゆる同人作品ですね。 まず小説を「物語」と「世界観(設定)」に分けます。 次にその「世界観」の中で別の物語を作成する、という練習です。 練習するには、やはり村上龍がいいそうです。

5. 行きて帰りし物語を書く

この章は練習ではなく、今までの成果確認といった内容です。 物語の基本構造とは、「行って帰ってくる」ことだとしています。 それが「成長物語」です。 「行って帰ってくる」物語を書くことができるようになれば、そこには健全な主題(テーマ)が自然に宿る。 最初にテーマを決めてから書き出すなんて、嘘でしょ、とのこと。

6. 映像作品をノベライズする

漫画や映画などの映像作品を、文章化する練習です。 それにより、文章技術や場面構成の技術が高まるそうです。 また、昨今のメディアミックスの現状を考えると、別の分野の表現方法を知っておく必要があるとのことです。 例題として、「つげ義春」が紹介されています。 それには、また筆者の別の狙いがあるのですが、ややこしいので別の機会にしたいと思います。

さて、「物語の体操」は、他の方のレビューを見ると、かなり個性的な内容なのだそうです。 このブログ的には2冊目なので、その辺りはよく分かりません。 非常に面白く、かつ実践的な内容だと思いました。

基礎トレーニングとして、一通りこなしてみる必要がありそうですね。

物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫)
物語の体操―みるみる小説が書ける6つのレッスン (朝日文庫)

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2007年08月22日

タロット教科書 第1巻 / マルシア・マシーノ (感想)

もともとタロットに興味はありましたが、物語の体操で、物語作りのトレーニングにタロットが有効と書かれていたので、買ってみることにしました。

ですが、タロットと言ってもいっぱい種類あるんですね。 どれを買っていいのかわからないので、まずは教則本を買うことにしました。

マルシア・マシーノのタロット教科書が一番定番らしいので、まずはこれから。

内容は、予想以上に充実しています。 初心者向けかと思っていましたが、違いました。 本格派にも満足いく内容だと思います。

非常に詳しく書かれているのですが、大切なことと細かいことが同列に書かれているため、本質がボヤけている気がいたします。 本気で占いをしたい方にはいいのでしょうが、私みたいにちょっとエッセンスを知りたいという方には、逆にわかりにくいかもしれません。

ともあれ、これ一冊あれば、タロット占いのマネごとくらいはできるようになりそうです。 さすが定番本。

タロット教科書 (第1巻)
タロット教科書 (第1巻)

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言葉と声の磨き方 / 白石謙二 (感想)

プレゼンテーションや勉強会など、人前で話す事が多いです。 怖い・・・とか、怒ってる?とか言われる事がありますので、ちょっと悩んでいたところです。 それで、amazonでずいぶん売れているみたいなので、買ってみました。

まず気になったのは、話の内容よりも声の方が大事だという、筆者の意見です。 私は、話の構成を一番重視してやってきました。 話す順番を組み立て、相手が理解しやすいように努めてきました。 筆者は、そんなのは二の次だ!まずは声だ!と言います。 まぁいろんな考えがあると思いますので、それはそれでいいと思います。

本書はCD付きです。 どちらかと言うと、CDがメインですね。 ガイドにしたがってトレーニングができるようになっています。 ちょっと話すスピードが速いので、CDだけだと途惑うと思います。 そんな時、本が補足資料として助けになります。

トレーニングはどれも簡単なものばかり。 この辺が売れている理由でしょうか。 しばらく練習して、様子をみてみたいと思います。

言葉と声の磨き方
言葉と声の磨き方

2007年09月03日

激マンシリーズ 5 キャラ設定自由自在!すぐにできるキャラクター作り (感想)

私みたいな初心者にオススメ! とっても分かりやすい、キャラクター作りの解説書です。 マンガ用ですけど、小説でもいけると思います。

この本が分かりやすいのは、キャラクターを作るのが目的ではなく、ストーリーを作るという前提があり、そのためにこんなキャラクターが必要です、というスタンスで書かれているからだと思います。

2つの事が書かれています。 1つは、「目的」と「動機」と「設定」の関係について。 もう1つは、キャラクターのパターンについてです。

まず一つ目です。 キャラクターには必ず「目的」があります。 「目的」に向かって進むことが物語になります。 なぜその「目的」をするのか、というのが「動機」です。

ゼロの使い魔で言えば、サイト君の目的は「ルイズを守る」こと。 動機は「ドキドキするから」。 ということでしょうか。

そして、「目的」と「動機」を自然なものにするのが「設定」です。

先の例で言えば、「ダンスパーティの時のルイズがクリーンヒットした」「アルビオン軍が攻めてきた」「伝説の使い魔という強い力を持ってしまった」などが設定でしょうか。

ここで面白いのが、「設定」は、「目的」や「動機」をスムーズにするためのものだという考え方です。 「設定」が先行してもおもしろくないですよ、と書かれています。 さらっと書かれていますが、結構重要なことではないでしょうか。

次にキャラクターパターンについて。 全てのキャラクターは14種類に分けられるとしています。 ただし、完全に分かれるのではなく、複数に所属するものもあります。 属性といった方がいいでしょうか。

では、14のパターン。

・とらわれの姫君
・満たされずさまよう者
・ふたつの顔を持つ男
・武装する女戦士
・時空を超えた恋人
・あぶない博士
・創造主に挑む者
・陰に立つ実力者
・あざむく道化師
・未熟な後継者
・魔法使いの弟子
・導く賢者
・双子
・兄弟たち

ちょっと予想外の分類だったのではないでしょうか。 キャラクター分類の研究はいろいろあると思うのですが、ちょっと変わったやり方だと思います。 (詳しくないので多分)

この分類みているだけで、いろんな作品のことが頭をよぎります。 真っ先に浮かんだのがワンピースですね。 このままやん、という感じです。

この本は、もちろん自分でキャラクターを作成するための本なのですが、既存作を分析するのに使うのも楽しそうです。

すぐにできるキャラクター作り―キャラ設定自由自在! (激マンシリーズ)
すぐにできるキャラクター作り―キャラ設定自由自在! (激マンシリーズ)

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2007年09月15日

マンガ編集者が語るおもしろさの創り方 / 八窪頼明 (感想)

こんなに優しい本も珍しい。

「簡単」「分かりやすい」ではなく、優しいです。 愛を感じます。

本書は、悩めるマンガ家への指南書です。 絵よりも、お話づくりに重点が置かれています。 なぜなら、みんなが悩んでいるのは、絵ではなくストーリーだからです。

みんな悩んでいるのです。 悩むのはいいことです。 しかし、

「みんな、悩んで大きくなった!」などと、編集者も言っていたら、商売になりません。
マンガ家としてあなたが次から次へとおもしろい作品が描けるように、いっしょに考えていきましょう。

本書の内容は、この一言に凝縮されてると言っていいでしょう。 まるでベテラン編集者と打ち合わせをしているかのようです。

「どうですか、上手くいっていますか?」
「あぁ、そういうことで悩んでいるのですね」
「では、こう考えてみてはいかがですか?」
「こんな方法もありますよ」
「大事なのはココです」
「こうした方がいいですよ」

優しく、的確にアドバイスをもらえます。 なるべく自分で考え、自分で答えを見つけられるように工夫されています。

ところで、著者の八窪頼明さん。 ただの編集ではありません。 ちょっと著者紹介から引用してみます。

八窪頼明(やくぼよりあき)
昭和34年小学館入社。 「週刊少年サンデー」「別冊少年サンデー」「ビッグコミック」「ビッグコミック オリジナル」の創刊に加わる。 編集者として、手塚治虫、横山光輝、石森章太郎、藤子不二雄、白土三平、さいとう・たかを、赤塚不二夫、ちばてつや、水島新司、媒図かずお、ジョージ秋山、水木しげる、萩尾望都、竹宮惠子、里中満智子などの各氏と交流。

なんですか、このそうそうたる名前は。

そんな大御所達のエピソードが、随所にさらっ書かれております。 それがまた、本書の暖かさの要因になっているのだと思います。

本書は、マンガ家を目指す方だけでなく、小説や映画、芝居など、ストーリー作家ならば必携だと思います。 万人にお勧めできる良書ですね。

最後に、あとがきから著者のメッセージを紹介いたします。

ボクシングに例えれば、ボクサーはあなた。 編集者はコーナーにいるセコンドです。 リングの上で惨めにノックアウトされるのもあなた。 チャンピオンベルトを締めて両手を上げて栄光の拍手を浴びるのもあなた。 主役はあなたです。 しっかり覚えておいてください。
マンガ編集者が語るおもしろさの創り方
マンガ編集者が語るおもしろさの創り方

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2007年09月18日

伝わる・揺さぶる!文章を書く / 山田ズーニー (感想)

あなたは、いったい何故この文章を書いているのですか?

そう問われると言葉に詰まってしまいます。

その答えを考える事が大事ですよ。 答えが分からないのは、考え方を習っていないからです。 こういう風に考えていきましょう。

というのが本書です。

自分が言いたいことは何なのか?
→ 時間軸と空間軸で考えましょう。

相手に期待していることは何なのか?
→ 読んだ人に、何て言ってもらいたいですか?

という具合です。

非常に分かりやすく、かつ「真剣」に「情熱」を持って書かれており、胸にぐっとせまってくる迫力があります。 タイトルに偽りなしです。

本書の方法は、小論文が中心となっております。 相手を文章で「説得」するには、どうしたらいいかということが主題です。 論文やビジネス文書など、自分の意見を主張するための文章を書く際には、非常に役に立つ思います。

その文章を書く前に、ぜひ一読を。 自信を持って薦められる名著です。

伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)
伝わる・揺さぶる!文章を書く (PHP新書)

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2007年09月29日

3時間で「専門家」になる私の方法 / 佐々木俊尚 (感想)

これは読む人を選ぶ本ですね。

インターネットを駆使すれば、新聞記者に劣らない情報を簡単に収集することができる、という内容です。 著者が、元新聞記者なので説得力があります。

二つのことを言っています。 情報収集の基本的な考え方と、具体的な手段です。

まず情報収集の考え方から。 情報はマトリクスで整理せよ、と言っています。 マトリクスで整理するには、いろんな意見が必要になります。 今までは、多くの記者が取材に行く事が必要でした。 しかし、インターネット上には既に多くの情報があるため、3時間もあれば情報を集める事ができる、とのことです。

次に具体的な手段です。 まず、インターネット上のソースを4つに分けます。

A. 新聞・雑誌のオフィシャルサイト
B. 一般のウェブサイト
C. ブログ
D. 2ちゃんねるなど

信頼度はA>D、情報の濃さはD>Aです。 これをA→Dの順で情報収集し、絞り込んでいけ、と言っています。

具体的な収集の仕方は、

A. 日経テレコン21
B. Google
C. Googleブログ検索テクノラティ
D. Googleでsite:2ch.net

が紹介されています。

テーマを絞り込んでいく方向を決めるには、「気づき」が必要だとしています。 「気づき」を得るには、ある種の偶然性(セレンディピティ)が必要で、そのためには、はてなブックマークが有効だとしています。

この中で私が使っていないのは、日経テレコン21だけです。 有効だとは聞いているのですが、お値段が張りますからね。 個人で使うのは、なかなか難しいと思います。

あとは、日常的に使っています。 マトリクスや絞込みなど、考え方で面白い点はありましたが、ツールに目新しいものはありませんでした。

むしろ面白かったのは、著者による実演ですね。 「少子高齢化」をテーマに、上の手段で具体的に情報を掘り起こしていきます。 なんとなく選んだ「少子高齢化」というキーワードが、「葬儀ビジネス」へ終着していく様は圧巻です。 とても臨場感に溢れ、まるで謎解きサスペンスのようでした。

では、そういったツールを使いこなしていない人にはどうでしょうか?

日常的にPCの使い方を聞かれる立場にいるのですが、一般の人の認識は、インターネット=Yahoo!です。
「このURLにアクセスして」
と言うと、Yahoo!の検索窓に入力する方々です。 そういう方がこの本を読んで情報収集能力がアップするかというと、難しすぎると思うのです。

例えば、はてなブックマークの説明を数十ページ書いていますが、これは実際に使っている人でないと分からないんじゃないでしょうか。 少なくとも、画面のスクリーンショットは必要ですよね。 それを言葉だけでやってのける文章力は凄いと思うのですが、多くの方はついてこれないと思います。

結局「読んでわかる人は、読まなくても分かる人」になってしまっています。

では本書の意義とは何なのか?

「物語として楽しむ」

だけでは、ちょっと寂しいですよね。 テーマは凄くいいと思うので、もう少しニーズがある人のレベルにあった内容だったら良かったんじゃないでしょうか。

私は面白かったから満足していますけど。 スキルを求める人には薦められないかな。

3時間で「専門家」になる私の方法
3時間で「専門家」になる私の方法

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