これは読む人を選ぶ本ですね。
インターネットを駆使すれば、新聞記者に劣らない情報を簡単に収集することができる、という内容です。
著者が、元新聞記者なので説得力があります。
二つのことを言っています。
情報収集の基本的な考え方と、具体的な手段です。
まず情報収集の考え方から。
情報はマトリクスで整理せよ、と言っています。
マトリクスで整理するには、いろんな意見が必要になります。
今までは、多くの記者が取材に行く事が必要でした。
しかし、インターネット上には既に多くの情報があるため、3時間もあれば情報を集める事ができる、とのことです。
次に具体的な手段です。
まず、インターネット上のソースを4つに分けます。
A. 新聞・雑誌のオフィシャルサイト
B. 一般のウェブサイト
C. ブログ
D. 2ちゃんねるなど
信頼度はA>D、情報の濃さはD>Aです。
これをA→Dの順で情報収集し、絞り込んでいけ、と言っています。
具体的な収集の仕方は、
A. 日経テレコン21
B. Google
C. Googleブログ検索、テクノラティ
D. Googleでsite:2ch.net
が紹介されています。
テーマを絞り込んでいく方向を決めるには、「気づき」が必要だとしています。
「気づき」を得るには、ある種の偶然性(セレンディピティ)が必要で、そのためには、はてなブックマークが有効だとしています。
この中で私が使っていないのは、日経テレコン21だけです。
有効だとは聞いているのですが、お値段が張りますからね。
個人で使うのは、なかなか難しいと思います。
あとは、日常的に使っています。
マトリクスや絞込みなど、考え方で面白い点はありましたが、ツールに目新しいものはありませんでした。
むしろ面白かったのは、著者による実演ですね。
「少子高齢化」をテーマに、上の手段で具体的に情報を掘り起こしていきます。
なんとなく選んだ「少子高齢化」というキーワードが、「葬儀ビジネス」へ終着していく様は圧巻です。
とても臨場感に溢れ、まるで謎解きサスペンスのようでした。
では、そういったツールを使いこなしていない人にはどうでしょうか?
日常的にPCの使い方を聞かれる立場にいるのですが、一般の人の認識は、インターネット=Yahoo!です。
「このURLにアクセスして」
と言うと、Yahoo!の検索窓に入力する方々です。
そういう方がこの本を読んで情報収集能力がアップするかというと、難しすぎると思うのです。
例えば、はてなブックマークの説明を数十ページ書いていますが、これは実際に使っている人でないと分からないんじゃないでしょうか。
少なくとも、画面のスクリーンショットは必要ですよね。
それを言葉だけでやってのける文章力は凄いと思うのですが、多くの方はついてこれないと思います。
結局「読んでわかる人は、読まなくても分かる人」になってしまっています。
では本書の意義とは何なのか?
「物語として楽しむ」
だけでは、ちょっと寂しいですよね。
テーマは凄くいいと思うので、もう少しニーズがある人のレベルにあった内容だったら良かったんじゃないでしょうか。
私は面白かったから満足していますけど。
スキルを求める人には薦められないかな。
3時間で「専門家」になる私の方法